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映画俳優スタートアップ合宿 2023春
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- 合宿(3泊4日)
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概要
日本の映画界で勝負できる俳優を輩出することを目的にした訓練合宿です。映画俳優に求められる思考、技術を高めるために、映画監督や演技トレーナーらと共に過ごし、短期間集中でのスキルアップを行います。
<参加対象>
どなたでもお申込みいただけます
演技経験の有無は問いません (演技未経験の方も申込可)
<ダイジェスト映像(2020合宿冬)>
こちらからダイジェスト映像をご覧いただけます。
代表からのメッセージ
映画俳優は、「脚本読解」「映画教養」を中心とした、日頃からのインプットによる訓練が何より大切であることは皆様にお伝えしていますが、一方でその成果を具体的なアウトプットに置き換えてみる訓練も必要です。後者の訓練は、短時間の通学型レッスンではお伝えできる情報量も少なく、具体的な成果も出にくいため、合宿形式を採用しました。技術面の向上だけでなく、俳優としての視野を拡げ、今後の方向性や具体的な課題・対策を講師と共に探っていける場になれば幸いです。皆様と直接お会いして共に切磋琢磨できることを楽しみにしています。
※<映画俳優スタートアップONLINE>とは※
映画俳優を志すすべての人に向けたオンライントレーニングのサービスです。俳優にとって必要な「脚本読解力」と「映画教養」が身につく、継続的なインプット型のトレーニング環境を提供します。また、オンライン相談室やスキル診断、キャスティング情報の配信といったサポートも充実しています。
※<映画俳優スタートアップONLINE>の詳細についてはこちら
松野泉 講師からのメッセージ
はじめまして。この度ワークショップの講師を担当させて頂く事になりました。松野です。
普段は映画の録音部として様々な映画に関わりながら、自身の監督作を制作しているものです。
経歴としては、大阪芸術大学という大学を出て、フリーで録音の仕事を続けながら、自主制作で映画作りを続けてきました。その中で、京都で2年ほど俳優ワークショップの講師を担当し、その際の修了作品として制作した「さよならも出来ない」という作品が、今のところ長編としては最新作になります。
監督作としては片手で数えられる程しか制作出来ていませんが、録音部として沢山の現場を経験してきました。そして、いつも自分の興味はお芝居にあります。マイクを持って一番近くでお芝居を見る。その為にこの仕事を続けているようなものです。 脚本で読んだ時にはそんな面白いと思っていなかったシーンが、現場でハッとする程面白いシーンになったり、逆にシナリオではあんなにヒリヒリ緊張感があったシーンが、現場だと何気なく過ぎ去ってしまったり。お芝居は決して俳優さんの中だけにあるものではなく。状況や、そこに至る過程、現場の雰囲気、スタッフの眼差し、監督の演出、様々な要因がカメラの前に立つ俳優さんに反射して、映り込んでいくように思います。 私の基本的なスタンスとしては、元々人間は誰しも面白い。倫理的な観点を抜きにして、魅力的な生き物だと思っています。凄く単純に言えば、色んな人が色んな価値観で存在している事の面白さ。それをカメラで映し撮りたい。その為に、元々価値があると思われているものを疑ってみる。価値がないと思われているものを大事なものだと発見する。そのような事を映画を通してやってきたつもりです。 誰もが魅力的で、面白い。ではただ人がいて、それをカメラに映し撮れば面白いか?というとそうでないのが難しいところです。そういう意味でいうと、動物や、幼児、風景、川の流れや、雲の形が変わっていく姿などは、ただカメラに映すだけでも充分に面白く感じます。そこにある偶然性や、一回性、動きの複雑性などが、私の中に沢山の発見を促すからです。 しかし、意思を持ってカメラの前に立つ人は、カメラを回すと途端に面白く無くなる。そして面白くないので、何か面白い事をさせようとする。YouTubeやtiktokも大好きですが、カメラの前で面白くあろうとする事はとても難しい事だと感じます。時にやる事が過激になったり、暴力的であったり、滑稽であったり、たった10分程度カメラの前に立つ事の為に、様々なアクションが繰り広げられます。 勿論すべての人がそうであるわけではありません。当たり前のようにカメラの前に立てる人、自意識がとても低く、普段の生活の延長のようにカメラの前に立てる人、そういう人は稀ですが、生きてきた環境や、本人の性格上、そういう事(人としての魅力、面白さがカメラの前で自然に発揮出来る)が可能な人もいます。しかし、そういう人も、映画の中ではシナリオにある人物を演じたり、書かれた言葉を言う段になると、その魅力を維持し続ける事はとても難しい事のように思います。 このワークショップで参加者の方と探求したい事は、カメラの前に立って何をしたら面白いかという事ではありません。お芝居をする事、カメラの前に立つ事、それらの行為が、元々皆さんが持っている面白さ、魅力を邪魔せず、自然に発揮出来る方法がないか、それを一緒に探していければと思います。それは自然でリアルなお芝居が出来るように、という事ではありません。日常にあるような仕草や声から、遠く離れた場所に、その人の魅力や面白さが発揮出来る事もあるかもしれません。 手探りにはなりますが、皆さんと沢山の発見が出来る事を楽しみにしております。 松野泉
プログラム概要
〇ダイジェスト映像(2020合宿冬) / こちらからダイジェスト映像をご覧いただけます。
〇オリエンテーション
合宿の目的を確認したり、訓練の成果を振り返り、個々の課題・問題点を整理する時間となります。
講師だけでなく24区のサポートスタッフや仲間から学ぶ貴重な時間となるでしょう。
〇演技訓練 / 講師:松野泉(映画監督・録音技師・ミュージシャン)
映画脚本1冊を用いて、実際に演じる訓練を行います。どこまで実践で通用するのか、俳優個々の課題を確認しながら、改善に向けて講師が鍛え上げていきます。最終日にはグループ発表を行います。
映画の実技オーディションの初回選考で振り落とされないレベルを目指します。
〇脚本読解訓練 / 講師:三谷一夫(映画24区代表・プロデューサー)
俳優は身体を用いて表現しなければならない世界観そのものをはっきり分かっておく必要があります。
自分が演じている作品のテーマが何であるのか、そのテーマはどういう場面と場面によって構成されているのか、登場人物はそのテーマにどのようにかかわっていて、どのような役割を果たしているのか、などなど。
1冊の映画脚本を事前にお渡ししますので、まずは時間をかけてしっかり向き合ってください。合宿ではどこまで深く読み込めているか、また役にアプローチするために何をどう押さえているかを確認します。
【こんな人におすすめ!】
- 映画・映像演技において大きくスキルアップを図りたい
- 没頭できる時間の中で濃密な訓練に取り組んでみたい
- 日頃、定期的に演技レッスンに通っているがなかなか成果がでない
【この合宿に参加すると】
映像演技における自分の課題・対策が明確になります。
日頃のオンラインによるインプット訓練の成果を確認することができます。
講師紹介
松野 泉(まつの いずみ)
1982年生まれ。2004年大阪芸大卒。大学入学より、短編映画や音楽の製作を開始。2006年、自主制作で『GHOST OF YESTERDAY』を監督。第30回ぴあフィルムフェスティバル(2008年)にて審査員特別賞、企画賞を受賞。長編第2作として2007年にCO2企画助成作品『YESTERDAY ONCE MORE』を監督。2013年よりシネマカレッジ京都の俳優コース講師をつとめ、監督作『さよならも出来ない』は受講生が出演する終了作品として制作され、第17回TAMA NEW WAVEにてグランプリ、ベスト女優賞を獲得。映画録音(整音)技師として『ハッピーアワー』(15/濱口竜介監督)、『三度目の、正直』(22/野原位監督)、『麻紀のいる世界』(22/塩田明彦監督)、『そばかす』(23/玉田真也監督)などに参加。また、ミュージシャンとしても活動し、1stアルバム「星屑の国」をリリース。2018年よりバンド「マタマタ」としても活動を続ける。
三谷 一夫(みたに かずお)
1975年兵庫県生まれ。映画24区代表・映画プロデューサー。関西学院大学を卒業後、東京三菱銀行にて10年間、エンタテインメント系企業の支援などを担当する。2008年「パッチギ!」「フラガール」を生んだ映画会社の再建に参加。2009年に「映画人の育成」「映画を活用した地域プロデュース」を掲げて映画24区を設立。最近のプロデュース参加作品に『21世紀の女の子』や全国の自治体とタッグを組んだ『ぼくらのレシピ図鑑』シリーズなど。著書に「俳優の演技訓練」「俳優の教科書」(いずれもフィルムアート社)がある。